スマートフォンを使った拡張現実オンラインゲーム「Ingress」の拠点となるポータルは、
ユーザーが自分で発見、作成することができます。その手段が「ポータル申請」です。
このブログではポータル申請について、自分なりに感じた方法やコツを書いてみたいと思います。

This is an unofficial guide for Ingress Portal Submission. Sorry, Japanese only.

入門編:ポータル申請してみよう

 

反響ありがとうございます

初回のブログ、あっという間に多方面へ拡散され、たいへん多くの方にお読みいただけたようで感謝しております。皆様ありがとうございます。

お寄せいただくコメントもおおむね好評で、今後の連載(という言葉を使っている方がおられたのですが、たしかに短期集中なので「連載」がしっくりきます)への期待の高さをうかがわせます。

といいますか、まだ自己紹介をしただけなのにこれだけの反響をいただくとは。ハードルがどんどん上がっていくのを実感しております。上がりすぎて、てっぺんが霞んで見えません。

…えー、何とか期待に応えられるよう精いっぱいやらせていただきますので、引き続きごひいきのほど、よろしくお願い申し上げます。

 

Ingressの世界はポータル職人によって創られている 

 ここで、貴重(?)な資料をお見せしたいと思います。

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これは2013年1月27日の東京都区を中心に見たintelマップです*1ベータテスト開始3か月後という最初期の画像を、当時からプレイしていた方にお借りすることができました。

新宿や上野をはじめ、ターミナル駅周辺にはそこそこポータルがありますけど、それ以外はまばらですね。墨田区~千葉県市川市や杉並区に、大きな青のフィールドが構築されているのが印象的です。

さて、それがサービス2周年を迎えた今どうなっているかというと、ご覧のとおり。

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うわー!もうポータル多すぎ!どこが何区か隠れちゃって読めません。実はこれでも、ローディング途中でキャプチャした画像なんですよね。全ポータルを表示しようとしたら時間がかかりすぎていつまでも終わらないのです。参った。

この2年間で東京にどれだけポータルが増加したのか、実感していただけたのではないかと思います。そして、このおびただしい数のポータルを作ってきた人たちは、ほかの誰でもない、Ingressエージェント自身なのです。…あ、あとローソンも。

 

 写真を見るとポータルの成り立ちがわかる

…となると、ちょっと疑問がわいてきませんか?

最初にIngressを始めたプレイヤーは、ポータルが1個もない世界に放り出され、まずは申請をするところから始めたんでしょうか。

――ずっと真っ暗な世界でさまよい続けること数週間。ある勇敢なエージェントの申請によって、ついに世界最初のポータルが生まれた。エージェントたちは集い、歓喜のおたけびを上げながら、初めてのハックに酔いしれるのであった――

…いやいや、どんなマゾゲーですかそれ。さすがにそんなことはないです。Niantic Labs は Ingressを開始するにあたり、最初から世界に存在するポータルを用意していました。いわゆる「初期ポータル」です。

実はポータル写真に添えられた文字を見ると、その成り立ちがわかるんです。以下、ちょっとした豆知識レベルの話ですけど、分類してみます。

1.初期ポータル

 初期ポータル写真の右下にはResistanceでもEnlightenedでもない、灰色がかった水色の文字が記されています。

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これは写真共有サイト Panoramio から借りてきた写真です。Panoramio には、世界中の写真家たちがジオタグ付きの写真を寄稿していて、それらの写真が Google Map 上に散りばめられたものを閲覧することができます。


Panoramio - Photos of the World

初期ポータルの写真をタップして詳細をみると、この文字がリンクになっていて、Panoramio の当該写真のページにジャンプできるようになっています。

既存の写真データベースを活用して、Ingress の初期ポータルはできあがったんですね。もしかすると創始者のジョン・ハンケ氏も、これを眺めているときにIngressの着想を得たのかも。

2.β初期のプレイヤー申請ポータル

 続いてこちら。写真の右下に何も文字が書かれていません。

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Ingressのベータテスト初期のポータル申請は、今のようにアプリの中から申請する仕組みはなく、写真をメールに添付して送信する形式だったそうです。

その頃に作られたポータルには、撮影者の名前が記されていません。それだけではなく、Portal Discovered の実績としてもカウントされていないそうです。実際、その頃から生やしたポータルの数を合わせれば優にSeerプラチナをもっているはず…という先輩エージェントもおられます。

名前を残す栄誉も、レベルアップのための実績もなし。そんな名もなきSeerたちの血と汗と涙の上に、今のプレイフィールドは成り立っているんですね。合掌。

3.β中期以降のプレイヤー申請ポータル

 その後、アプリの中で申請できるようになってからの写真がこれ。これが皆さん一番おなじみなのではないでしょうか。写真の右下に撮影者のエージェント名が記載されています。文字色で所属ファクションもわかります*2

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写真は追加・差し替えが可能なので*3、ポータルの代表写真の名前=ポータル申請者とは限りませんが、だいたいこれで誰が生やしたポータルなのかを把握することができます。

4.商業ポータル

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…説明不要ですかね。日本では今のところローソンだけですが、他の国でも企業とのコラボポータルはけっこうあるようです。

Ingress Updates App, Adds Zipcar & Jamba Juice Portals | TalkAndroid.com

「世界観を損なう」「ユーザー申請分を差し置いて生やすなんて」などと批判の声も聞かれましたが、これだけの大規模アプリを完全無料で遊ばせてもらえる原資を彼らが肩代わりしてくれてるんだろうなーと思えば、腹も立たないかもしれません。個人的にはUPVが増えるので歓迎。

 ポータル申請をしてみよう

さて前置きが長すぎて、すでに記事1回分くらい書いてしまいましたが、ここでポータル申請の方法をおさらいしようと思います*4

1.まずはポータル申請をしたいもの・場所へ、とにかく赴きましょう。写真を撮ることになるので明るい時間がおススメです。そしてスキャナを立ち上げてください(もちろん立ち上げっぱなしで訪問してもOKです)。

2.スキャナ画面を長押しすると表示されるメニューの右側に "NEW PORTAL" という項目がありますので、これを選択します。

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長押しする場所はどこでもいいんですけど、押した場所が後ほどポータルの位置合わせをする際の起点になりますので、少し気を使うと作業が楽になります。

3."NEW PORTAL" を選ぶと、端末のカメラが起動します。申請したいオブジェクトを撮影してください。

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…うん、ちょっとピンぼけですね。今回は説明のために前から気になってたヤツをサンプルにしてみたんですが、これだけ目立つオブジェを誰も申請してないわけないと思ってかなりやっつけですスイマセン。皆さんはキレイな写真にこだわって撮影してみてください。

(※この記事を書いている最中にまさにこれがポータルになったそうです。登録されている写真は50枚以上とか。やっぱりみんな申請しますよねー。)

4.「保存」ボタン(端末によって違うかもしれません)を押すと、ポータル申請画面に進みます。

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ここで "NAME" 欄にポータル名、"DESCRIPTION" 欄に説明を入力します。

ポータル名ですが、わかりやすさを心がけると良いと思います。単なる「オブジェ」よりは「○○駅前のオブジェ」の方が、ポータルキー一覧から検索するときにわかりやすいですしね。

ちなみに正式名称がわからなければ、こだわる必要はないです。というか、Ingressヘルプには「クリエイティブな名前をつけるのは歓迎」と書かれています*5。写真同様、センスを発揮してよい場所だと言えます。

ただ、変な名前のつけ逃げはやめましょう。写真に自分の名前が残るので、誰の仕業かわかります。買うのは怒りや恨みではなく失笑程度にとどめておきたいものです。

ポータル説明はなくても構いません。説明文がついていれば審査に活用するとIngressヘルプには書いてありますが、実感として説明文がないために却下されたということはないですね。

ただ、他のプレイヤーがそのポータルに興味を持つような解説をつけることを推奨しています。なので、特別なポータルには是非説明をつけてみて欲しいと個人的には願っています。自分自身そうしてきているつもりです。

5.ポータル申請画面で忘れずに必ずやってほしいのが、ポータルの位置合わせです。画面右上の "CONFIRM LOCATION" と書かれた地図をタップすると、位置合わせ画面に遷移します。

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地図をドラッグして画面中央の+印をポータルの位置に合わせ、「OK」を押せば、ポータル位置を表す黄色いマーカーが移動します。

この手続きを怠った結果、実物と全然違う場所に生えているポータルは少なくありません。ポータルはプレイヤーを実在のオブジェクトへ導くガイドです。皆を混乱に陥れないよう、気を使いたいものです。

6.ポータル申請画面で "SEND" ボタンを押すと、"Your portal has been submitted for review."(あなたのポータルは審査に提出されました)と表示されます。これでポータル申請完了です。おつかれさまでした。

 

申請が受理されていれば、Ingressアカウントのメールアドレスに "Ingress Portal Submitted" で始まるタイトルのメールが届いているはずです*6

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申請結果は忘れたころにやってくる

あとはひたすら待ちます。審査方法も改良を繰り返しているようで、最近は1~2か月程度で結果が来るものもありますけれど、最長で半年以上は待たされる覚悟が必要かと思います。

結果のパターンは3種類(厳密には4種類)です。

1. Liveメール

審査を通り、晴れてポータルができると、再びメールが届きます。タイトルに "Ingress Portal Live" と書かれているのが成功メールの印です。おめでとう!

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このメールが来ていたら、スキャナを確認してみましょう。ポータルLiveのご褒美として、以下のものがもらえているはずです。

  • 1000AP
  • 新たにできたポータルのポータルキー
  • Portals Discovered の実績 +1*7

2. Rejectメール

一方、審査に落ちた場合、"Ingress Portal Rejected" というタイトルのメールが届きます。

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Reject メールはよく読むと2種類あります。

  • "this Portal candidate does note meet the criteria..." (このポータル候補は審査基準に合いませんでした)というもの。
  • "Unfortunately, this Portal is too close to another existing potral..." (残念ながら既存のポータルに近すぎます)というもの。

ともあれ、残念ながらこれがポータルになることはなかったということです。くよくよせずに次行きましょう、次!

3. Duplicateメール

これは既にほかの人が申請していたポータルとかぶってしまったときのメールです。

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かぶった場合、そのポータルに自分の写真が追加されていて、写真追加の 500AP がもらえていることもあります。ただ、当然ながら Portals Discovered の実績に加算されることはありません。

悔しいですね。でも考えてみてください。少なくとも Reject ではないのです。あなたのポータル候補を見つける目は間違ってなかったということです。ただ他の人より少し遅かっただけのことなのです。自信をもって、次の候補を探しましょう。

 

以上が、ポータル申請から審査結果が出るまでの流れです。イメージはつかんでいただけましたでしょうか?まあ、何事も慣れです。ぜひご自身でやってみてください。

まとめ

  • 世界中のポータルの大部分は、プレイヤーの申請によって作られたものです。
  • 中には初期ポータルなども含まれていて、写真を見ると判別できます。
  • ポータル申請はスキャナ長押し→ "NEW PORTAL" から行います。
  • わかりやすい名前(楽しいのはOK!)、正しいポータル位置を心がけましょう。たまには説明文も書いてみましょう。
  • ポータル申請の受理、審査結果はメールで通知されます。目指せポータルLive!

次回予告

次回は、どんなものがポータルになりやすいのかを考察してみたいと思っています。題して「だからあなたの申請はポータルにならない!」です。(←煽りすぎ)

Ingress公式のポータル申請ガイドラインもあるんですが、けっこう基準も揺らぐ印象です。傾向と対策を自分の経験則などを交えてお話しできるといいなーと思っております。

 

ちなみにポータル申請からは離れますが、東京ではIngressの一大イベント「DARSANA(ダルサナ)アノマリー」開催が刻一刻と迫っています。公式イベントページはこちら。↓

#Darsana XM Anomaly: Primary Site, Tokyo, JP - Google+

「何それ?」という方も、まとめサイトなどいっぱいありますので是非ググってみて、できれば参加してみてください。貴重な体験ができること請け合いです。

私もその流れに乗って、ブログ執筆は少しお休みとなる見込みです。「どんだけ引っ張るねん!」とお怒りの向きもあるかと存じますが、何卒ご容赦ください・・・

*1:L4以上を表示したものだそうです。当時はレベルフィルタを自分で選ぶ機能もまだなかったとか。現在の画像も同じ条件に合わせてあります

*2:画像詳細に添えられたエージェント名長押しで「View Player Profile」メニューが表示されるんですが、タップすると瞬間的に Location Inaccurate になって閲覧できません(アプリv1.65.0 現在)。なんとかなりませんかNiantic様。職人たちのプロフィール見たいッス…

*3:写真をタップして表示される画面でカメラマークをタップすると、写真の追加(撮影または既存写真)ができます。また、各写真にはFacebookの「いいね!」のような機能があり、複数の写真が登録されている場合、いちばん多く「いいね!」を集めた写真がポータルの代表写真になります。

*4:ここでは撮影した写真を即申請する方法を説明しています。Android版だと撮りためた写真を後から申請する方法もあるのですが、iOS版にはないらしいということなので、ここでは割愛します。ご了承ください。

*5:以前、池袋駅前にある女性2人組の銅像に「どつき漫才」というポータル名がつけられていましたが、現在は「裸婦像」に修正されました。個人的にはちょっと残念。晴海ふ頭公園にある「Banana Slip」はそのままであって欲しい。

*6:このメールが届いていない(迷惑メールにもない)という話をチラホラ聞きます。何日も遅れて届いたなんてうわさも聞きましたが…同様の現象に遭った方はおられますか?私は一度もないので、情報お待ちしています。

*7:実績加算は数時間遅れることがあります。増えてなくても慌てないでくださいね。